わたしは末尾ルコと名乗り、しかし地元ではふつうアルベールなのですが、原則いつも母(うたちゃん)と行動を共にし、車いすを押しておるそのイメージから「母連れ狼」とも名乗ります。
そう、最高の介護を超えるべく。

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3月30日は市役所から要介護度調査の人がやってきました。
痩せ型で長身で、ちょっとシブい感じの中年婦人。
調査員の人の外見を描写してどうなるかという気もするけれど、より臨場感を味わっていただくために記しているのでございます。
今回調査員の方。まず母(うたちゃん)へのいくつかの質問、
「お名前は何ですか」
「生年月日を教えてください」
「今日は何月何日ですか」
「今の季節は何ですか」
「今朝はお食事しましたか」
などですねえ。

ご存じの方が多いかと思いますが、

「見当識」という概念がありまして、つまり「自分自身が現在置かれている状況をどの程度理解できているかどうかの能力のことなんですが、長谷川式認知症スケールなどの簡易なテストでその度合いを判定するのですね。
先の質問はそんな「見当識」に関するテストの一環ですが、やはり母(うたちゃん)、長い入院生活の影響で、今でも日付など間違うこともあります。
しかし自宅でわたしと生活していくうえで、まったく困らないです、その程度のことは。

今回の調査員が言うには、昨年の調査員の記録として、「短期記憶が非常に弱い」と記されていると言うんですが、これが実に不思議でした。
確かに心臓(冠動脈)バイパス術直後はぶっちゃけ短気記憶も何かももめちゃめちゃでした。
なにせ現在と過去の区別さえつかなかったですから。
もっと言えば、夢と現実の境目も曖昧な状態でした。
しかしそれは全身麻酔での大手術直後の一時的な状態でして、すぐに記憶能力は復活してきて、普通の会話ができるようになりました。
ただ長谷川式の点数はなかなか上がらなかったですけどね。
しかし一人の人間というもの、長谷川式程度の簡易テストで「すべてが分かる」なんてことはまったくない。
わたしがずっと見ている母(うたちゃん)は、長谷川式で出る点数の範疇には収まらない回復をし続けてくれてました、入院中も。

で、昨年の調査で「短期記憶が非常に弱い」とか、そんな話をした覚えはないのにそう書かれている。
ちょっと不思議ですね、調査員さん、何を思ってそんなこと考えたのか。
昨年調査の段階で、母(うたちゃん)の短期記憶、まったく問題ない状態でしたから。
現在はさらにいい状態になってます。