ザ・シネマでやってたアンドレ・テシネ特集、「私の好きな季節」「野性の葦」「夜の子供たち」「溺れゆく女」と4本観たのだが、このなかでは「溺れゆく女」が一番気に入った。何よりも若き日のジュリエット・ビノシュとマチュー・アマルリックの磁力。この二人はもうずっと前から名優として不動の位置に居続けているけれど、やはり若い頃からオーラが違う。
「溺れゆく女」でこの二人は同居しているが恋人ではない。アマルリックはゲイの役。ヴァイオリニスト役のビノシュの恋人となるのがモデル出身の若手アレクシ・ロレ。彼は結局俳優として素晴らしいキャリアは築けなかったが、この映画では端正な美貌が大いに生かされている。ロレはアマルリックの弟役。三人を中心にかなりエキセントリックな物語が綴られる。