たとえば「赤い河」。ジョン・ウェインと若き日のモンゴメリー・クリフト。「米国の強き象徴」的イメージの強いジョン・ウェインだが決してヒロイックな役ばかりではない。「赤い河」では仲間や部下に反旗を翻されて惨めな立場に陥る。
あるいは「コルドラへの道」のゲイリー・クーパー。コルドラへ数人の兵士たちと一人の女を連れて行く任務を帯びた彼だが、兵士たちがクーデターとも言える反乱行為を始める。クーパーは極めて惨めで危険な状況におかれる。しかしその惨めさが大きな感動に繋がる。西部劇は凄い。