「重力ピエロ」の完成披露試写会のことである。
吉高由里子は映画「重力ピエロ」のことを
「水面みたい」と表現したという。
やはり美しい言語を喋る女優だ。
気取りもなく、自然に生まれる美しい言葉。
「水面みたい」・・。

吉高由里子が
このような言葉が使えるのも映画の世界のよさだろう。
テレビではこんな言葉を発したら、
バカな司会者やコメディアンに思考停止の「つっこみ」を入れられる。

映画の魔術はまだ生きている。

毎日映画コンクールで小池栄子が主演女優賞をとった。
木村多江のブルーリボン賞受賞とともに
考えさせられる結果だ。

小池栄子はデビュー当時から「女優」を目指していたのだという。
しかしオーディションなどに落ち続け、
いつしか「巨乳」バラエティタレントの座に収まっていた。
その間、
数々の屈辱的な出来事もあったのだという。
そして今回、「接吻」での受賞。
これを可能にしたのは、
小池栄子の「女優」に対する「憧れ」や「リスペクト」があったからではないか。
そしてそれが他の
「なかなか上手くいかない」女優らしき人たちよりも強かったからではないか。
「女優」と名乗りながら、
「女優」や「映画」をまったく理解してない者も多くいる。

吉高由里子は、
デビュー当初から「女優」であることを
決定されていた稀有な存在だ。

今後が楽しみな小池栄子だが、
元格闘家の夫(坂田)とテレビに出るのは控えた方がいいだろう。