「余命1ヵ月の花嫁」の中で、
榮倉奈々と瑛太は何度か涙を落とす。涙のアップ。
あんな大きな涙を。

大きな涙。
それを見るとどうしても思い出すのが、
ドライヤーの「裁かるるジャンヌ」。
さらに、
「裁かるるジャンヌ」でルイーズ・ルネ・ファルコネッティが流す涙を観ながら、
自分も涙を流す「気狂いピエロ」のアンナ・カリーナ。
もちろん「余命1ヶ月の花嫁」のクオリティがそれら作品に迫っているわけではないが。

「蛇にピアス」で吉高由里子のルイは何度か泣いた。
しかし涙のアップが印象的に使われることはなかった。
アップで映る吉高由里子は、
虚飾の内側をいつも見透かす目をしている。