わたしは「ノルウェイの森」に対して何の思い入れもない。
もちろん読んではいるし、その他の村上春樹作品も多く読んでいるが、どれにも思い入れはない。
村上春樹は作家としてより、レイモンド・カーヴァーなどの翻訳・紹介業の方が偉大だったと考えているほどだ。
だから「ノルウェイの森」のキャストに菊池凛子と松山ケンイチが決まったと聞いたときも、
「ついに二人の共演が観られる」と思っただけで、多くの春樹ファンが持ったであろう違和感などはまったく感じなかった。
「ノルウェイの森」を読んだ感想が、「ふ~ん、こんなのが売れているのか」程度だったので、
「この俳優はこの役に合う・合わない」などという感想なども持ちようがない。
正直春樹作品にそれほそ心を揺さぶられるというのが、わたしには理解できないのである。

それよりも「カムイ外伝」での共演が不可能となった菊池凛子と松山ケンイチがこんなところで共演というのが嬉しい限りなのだ。
なんせ「カムイ外伝」、菊池凛子の代わりが小雪じゃあ、「えらい違いじゃないですか」としか言いようがない。
(芦名星も出ているようですが、この女優には期待してます)

菊池凛子こそ、吉高由里子を含め、すべての日本人女優が意識し、多かれ少なかれ目標とすべき存在だ。
彼女は今までの日本人女優の概念や行動力など、すべてを軽々と超えてしまった。
いまだに「脱いだ」の「脱がない」のが話題になる日本映画界だが、
菊池凛子はハリウッドデビュー作「バベル」において、全裸どころかPubic hairを全世界に晒す。
この覚悟・・何の覚悟もなしに、リスクを負わず「女優です」面している連中はすべて退散すべきだ。

さて映画版「ノルウェイの森」だが、公開されれば必ず観に行く。
しかし出来に関しての不安は監督のトラン・アン・ユン。
最近作「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」の評判がやたらと悪い。
せっかくの二人の共演だ。カッコウをつけるだけの映画にはしてほしくないが。