フジテレビの「ぼくらの音楽」でflumpoolと対談した吉高由里子だが、
相変わらず一つのポジションに留まることのない新種の有機体のようなムーブに魅せられた。
首の動かし方が独特で、少しだけ「ブラックレイン」の松田優作を思い出したのは、
ひょっとして日本でわたしだけかもしれない。
番組中flumpoolが3曲演奏したのだが・・・。
まあ、日本で売れ線の曲に関してどうこう言っても仕方ない現状はある。

「重力ピエロ」で吉高由里子と共演した加瀬亮は、
その演技について「演技か、そうでないか分からないところがスゴイ」という趣旨のことを語っていた。
今回「ぼくらの時代」を観ても、
吉高由里子によき意味での異形性が際立っていた。
「天才」・・やはり彼女にふさわしい言葉だ。

その「重力ピエロ」に推薦文を捧げていた北川景子は、
吉高由里子の演技スタイルに関してどう感じたのだろうか。

「真夏のオリオン」で北川景子はこれまでにない側面を見せた。
限られた出演シーンの中、全体から浮かず、しかし十分に主張しなければならないというテーマの中で、
わたしの目には非常に「プラン」を立てた演技に見えたのだが。
作品中、北川景子と玉木宏の間に直接的なラブシーンなど無きに等しい。
その中で、どれだけ玉木宏に対する「想い」を表現できるか大きなポイントだったはずだ。
表情の中に物語で語られる以上の物語を感じさせねばならない。
そうしたテーマに関して、北川景子の演技プランはある程度成功しているように見えた。
ただ、それは今の段階では「ある程度」に留まっていたとも思う。
彼女の演技プランの中で一番の「見せ場」となるべき「敬礼」のシーン。
「いい」しかし、「やや取ってつけた」ように見えなくもなかった。
難しいシーンに対して健闘はしているが、
これからさらに向上してほしい。