しばらくソードテールは他のどの魚とも交わらない場所、ほとんどすべての時間を水底の隅で過ごす。
体色は白い部分が多くなり、目にはだいだい色の部分が多くなる。
ときどき小さなコリドラスが彼女を窺っていたようにも見えたが、それはもちろん人間の思い込みだろう。
でも魚が他の魚を心配するなんてことはあり得ないことじゃない。

ある朝、ソードテールは体を水底に横たえていた。