吉高由里子の2009年は「一般に名前を浸透させる年」だと昨日書いた。
2008年の驚くべきクリエイティヴィティを見てみれば、1年間の小休止などで彼女の女優としての方向性に疑義をはさむのは間違いだということも再確認した。
しかし2010年は「何か」をやってほしい。
これがすべての吉高由里子支持者の偽らざる心境だろう。(「由里子ちゃんかわいい~」だけでいいというファンは別として)」
「何か」ができない女優に「何か」を期待したりはしない。
吉高由里子は「何か」ができるから、そのポテンシャルを生かしてほしいということなのだ。

2009年に活躍した他の女優に目を向けてみると、それは文句なしに「満島ひかり」の名が登場する。
今までに何度も触れているからここでは多くを語らないが、「愛のむきだし」でのパフォーマンスは、満島ひかり自身の「業」そのものを噴火させたとしか表現できない凄まじさだった。
これだけの「噴火」というのを、わたしはかつて観たことがあっただろうか?
常に「愛のむきだし」級を求めるわけにはいかないが、もちろん2010年も期待である。

そして北川景子と仲里依紗の台頭も目立った。
2人とも「これは」という映画作品に恵まれたわけではなかったが、2010年へ向けての期待という点では双壁だろう。
北川景子には「花のあと」と「死刑台のエレベーター」、仲里依紗には「時をかける少女」と「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」がある。
どの映画も「ぜひ観たい」と思わせるに十分でワクワクする。
そして、公開前からワクワクするなどということは、日本映画でそうそうあることではないのである。