松雪泰子「Mother」がテレビドラマとして意欲作であるというのはもはや疑いないが、このドラマ自体がとても面白いかといえば、残念ながらそうでもない。
作りが丁寧なドラマだけに、「テレビドラマとは何なのか」という本質的疑問が湧いてくるのだろう。
例えば第3話では松雪泰子が切々と自らの過去について語るシーンが大きな見せ場となっているのだけれど、「テレビという場」の中でどうもしっくり来ていないというのだろうか。
まず切々と語るシーンの演出自体平板で、しかも語られるエピソードはややとってつけたような内容だと感じられた。
さらに「これを言ってはお終いよ」になるのだが、民放のドラマだとどんなに俳優が熱演しても、次の瞬間には浮かれた調子のCMが挟まれることになる。
特にわたしがそうなのかもしれないが、観ていながら「どうせCMが入るんだろ」、極端に言えば、「どうせCMのために展開を考えてるんだろ」という意識を捨てることができないという問題があるわけだ。
まあ少し意地悪な意識かもしれないが・・。

吉高由里子とチェーホフについて考えていたら、「三人姉妹」なんてよさそうだななどと思いついた。
三女が吉高由里子、次女が壇れい、長女が・・思いつかない。