瑛次はすぐに自分のマンションに向かわなかった。
混乱し沸騰した頭を冷やしながら整理する必要を本能が感じていたのだ。
もちろん行き先などない。
ただ足を前へ前へ進めることで、今日あった不快な出来事を少しでも振り払いながら、気持ちの中を整理していく。
歩く瑛次の左に車道があり、右には商店街がある。
次々と通り過ぎていく商店街の建物だが、瑛次の意識に残るのは強烈なコンビニの光だけだ。
ファミリー・マート、ローソン、サンクス、スリーエフ・・、そしてコンビニの間に巨大なパチンコ店が唸りを上げている。
(ああ、なんて町なんだ)
瑛次はこの町が嫌いだった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。