田中裕子の散髪屋。
尾野真千子が入って来る。
尾野真千子は松雪泰子が連れ去った自分の娘を探している。
そして娘は奥の部屋にいるのだ。
しかし田中裕子は「娘がいる」とは言わない。
尾野真千子が娘の実の母であることにすぐ気づいたから。

田中裕子は騙そうとする。
尾野真千子は娘の靴を見つける。
強引に家の中へ入り込もうとする。
この経過、時間にしてわずかだ。
わずかの時間で強烈な緊迫感がみなぎる。
髪を振り乱した尾野真千子の殺気。
かつて殺人を犯したであろう女を演じる田中裕子の殺気。
2人とも相手を殺しかねない雰囲気を漂わす。

髪を振り乱した尾野真千子のやや耽美的な美しさ。
殺気と言えば、「蛇にピアス」の吉高由里子も濃厚に漂わせていたのだが・・。