わたしは最近「愛のむきだし」を何度となく観返しているが、「凄い」としか言いようがない。
監督の園子温が凄いのは言うまでもないが、約4時間の作品を圧倒的に牽引しているのはやはり満島ひかりだ。
「愛のむきだし」の満島ひかりは、いわゆる「一流」と呼ばれる女優たちが生涯かけても到達できない境地まで、この1本で辿りついている。
「凄い」ものの希薄な日本の中で、文句なしに「凄い」という言葉を捧げることのできる存在が満島ひかりなのだ。

そんな満島ひかりに対して「月に恋人」などという制作前から終わっているドラマが与えた役ときたら・・。
もちろん満島ひかりも事務所も「こんなもの」と分かってやっているのだからどうこう言う必要はないのかもしれないが・・。

満島ひかりが「愛のむきだし」で見せた狂気。
わたしはその狂気を愛する。
吉高由里子にしろ、宮崎あおいにしろ、蒼井優にしろ、誰もまだ行ったことのない場所に、満島ひかりはいることを忘れてはならない。