ただインネンをつけたいだけで絡んでいるのか、それとも本当に「むかつく」原因があるのか瑛次には判断つかなかった。
そもそも何かを判断するという能力が著しく減退していた。
「この場を脱出したい」、今の瑛次の持つ感情はそれだけだった。
なのにその唯一の望みをかなえる方法は何も思い浮かばない。
何も言えなくなった瑛次に対し、大きい影が続ける。
「思い出せない・・か。よほどおれたちをなめてんだなあ。じゃ、ちょっと思い出させてやろうか」
「え」
「おれがちょっと思い出させてやるよ」
「・・・・・」
「思い出させてやるよ」
「・・・・・」
「思い出させてやるよ」
「・・・・・」
「返事しろよ、瑛次!」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。