「それでも、生きてゆく」が重いテーマをある程度正面から扱おうとしているのはよく分かる。けれど結局は「おきれい」に纏めようとしているのはどうしても弱点となる。テレビドラマだから「おきれい」に纏めざるを得ない。その分、被害者家族、加害者家族双方の苦しみ、怒り、哀しみなどが迫って来ない。瑛太、満島ひかり、大竹しのぶ、時任三郎、風吹じゅん、佐藤江梨子、安藤サクラなどズラリと一流俳優たちを揃えながらもったいない展開ではある。
それでも満島ひかり、大竹しのぶは随所でハッとするような表情やセリフ回しを見せてくれる。
しかし前にも書いたように、今このドラマで最も愉しいのは安藤サクラを観る時間。さらに言えば、安藤サクラと佐藤江梨子が居並ぶ時間だ。
このテレビを逸脱した非日常性はどうだろう。
まるで人間とは異なったクリーチャーが2人並んでいるようだ、というのは完璧に褒め言葉なのですよ!