戸川純「蛹化の女」は言うまでもなく「パッヘルベルのカノン」に日本語の歌詞を付けてアレンジしたものだけれど、これは「クラシック音楽+日本語歌詞」というパターンで成功した稀有な例だ。
戸川純の歌詞と原曲の間には何に関わりもないはずだけれど、それでも見事に聴きごたえのある作品として成立しているのはひとえに「戸川純であるから」だ。
本来クラシック音楽の名作に歌詞を新たに付けるというのは暴挙であり、やるのなら余程のセンスと「相応しい存在感」が必要となり、戸川純はかなり変格であるけれどどちらも満たしているわけだ。