●マリオン・コティヤール主演の「君と歩く世界」という映画がありますね。
監督はジャック・オーディアール、共演がマティアス・スーナールツ。
マリオン・コティヤールはシャチの調教師。
ショウのただ中の事故で両脚を失う。
マティアス・スーナールツは仕事にあぶれた男。
男の子を一人持つが、現在妻はいない。
ゆきずりの女との情事を適当に楽しむ生活だ。
コティヤールとスーナールツが初めて会った時、まだ事故の前であり、女の部屋には男がいた。
しかしコティヤールは既にその男には愛想を尽かしているようで、人生そのものにも希望を見出せずにいるように感じられる。
そして事故。
美しい女が両脚を失うという絶望的失意。
ただ、映画「君と歩く世界」は、失意の状況をくどくど描写したりしない。
化粧していない顔、そして洗髪さえしていないかのような髪と魂を喪失したかのような表情で観る者に女の心を悟らせる。
しばらく後、コティヤールの方からスーナールツへ電話をかける。
一度しか会ったことのないスーナールツへなぜ電話をかけたのか。
その後二人に何が起こるのか?