●最近、遠藤周作の「イエスの生涯」と「キリストの誕生」をじっくり読み返しています。
「沈黙」も含め、遠藤周作がイエス・キリストについて書く時の迫力は凄まじい。
「イエスの生涯」「キリストの誕生」も、何度も読み返すに足る充実した内容を持っています。
欧米と違い、日本にはキリスト教徒どころか、「キリスト教」、そして「イエス・キリスト」に関する知識・理解を持っている人たちの絶対数が少ないわけですから、そうした人たちにも理解できるように書く苦労は並々ならぬものがあります。
出来るだけ分かりやすく興味深く読め、しかも遠藤周作自身も納得でき、キリスト教、イエス・キリストについて深い知識を持っている人たちをも納得させねばならない。(どうしても納得できない人もいるでしょうが)
それがいかに至難の業であったか。

今回の読書でわたしが特に心を打たれたのは、

「生きている間は誰にも理解されることのなかったイエス・キリスト」

という認識です。