●国歌のお話を続けましょう。
フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」はフランス革命時にマルセイユの義勇兵によって歌われたという逸話が際立っています。
作曲はルージェ・ド・リール。
軍歌であり歌詞も極めて勇ましいと言うか、勇まし過ぎると言うか、血生臭いと言うか、そんな国歌なんですね。
でもそんな「ラ・マルセイエーズ」がかかるととても感情を揺り動かされる。
映画などでも「ラ・マルセイエーズ」よく使われており、おそらく最も有名なのが「カサブランカ」で歌われるシーンでしょう。

ナチスの脅威が欧州を席巻している時代、南アフリカの都市カサブランカで「ドイツの歌」に対抗して歌われる。
抵抗運動のリーダー「ラザロ」の指揮により、自由を封殺されかかっていた人たちが一つになり合唱する。
目に涙を溜めてエモーショナルに歌う女性の姿が効果的に映し出され、合唱が終わると同時に、「Vive la France!(フランス万歳!)」の声が上がる。


アメリカでは神話的傑作として不動の地位にある「カサブランカ」。
映画通の間では「取るに足らない作品」と見る向きもあるけれど、わたしは大好きです。