●七月の初め、「肉体の森」というブノワ・ジャコ監督、イジルド・ル・べスコ主演の映画についての(わたしの)記事にアクセスが集中した時期がありました。
記事を書いたのはけっこう前で、なぜ急にこの時期にアクセスが集中したのかはっきりは分かりませんが、「肉体の森」のような作品に興味を持たれる方が多くいるのであれば喜ばしいことです。
「肉体の森」には「安易な癒し」もなければ「辟易するお涙頂戴」もなく、「明日への希望」があるわけでもなし、「正義が行使」されるわけでもない、「背徳の映画」です。
ついでに言えば、映画的出来がもさほど素晴らしいわけでもない。
ただ、わたしは約一〇〇分、何の退屈も感じずに楽しんで鑑賞できた。
実はこのような作品が存在するところがフランス文化の強靭さであり、尽きせぬ魅力なんです。
日本の文化にもかなり共通する部分はあったけれど、テレビの圧倒的悪影響で現在は幼児化してしまっている。

※わたしたち日本人は本来持っていた「文化的深み」を取り戻さねばならない。