●映像俳優演技論
俳優としてより多くの抽斗を持っている方がよりバラエティに富んだ作品に対応できる。
これは当然ですよね。
映画史上「プロの俳優」を使わずに制作され、傑作としてその名を刻んでいる作品は少なくない。
わたしの生涯ベスト映画の1本であるピエリル・パオロ・パゾリーニ監督の「奇跡の丘」もそうした創作方法により代表作です。
かように優れた映画監督の中には「いかにも演技臭い演技」を嫌う人が多いのです。
だから舞台出身の俳優がとんでもない芝居を始めると怒りを爆発させる映画監督もいるし、そもそも最初から舞台俳優を出さない監督もいる。
映画の作品的完成度を高めるためには当然ではあります。