●末尾ルコ「社会批評」~市川海老蔵の「会見」だけの情報で「コメント」を出す「都立松沢病院 芳賀高浩医師」とはどのような「医師」か?

2016年6月12日、次のような記事をアップしました。



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●市川海老蔵の妻、小林麻央「乳癌」の件で「私見」を語った「都立松沢病院 芳賀高浩医師」という人物。

市川海老蔵夫妻について、わたしがもともと持っている印象についてはここで述べません。
夫人が乳癌闘病中という報道の中で、メディアのいつもながらの下卑た姿勢について、いくつか記しておきましょう。

・有名人が難しい病気である報道がなされると必ずテレビ番組の中で、
「だから毎年検診を受けましょう」と発言し、「何かいいことを言ったつもり」になっているコメンテーターないしキャスター。
どんな検診でも有効である場合とそうでない場合があり、受診者の状態によってもまったく事情が異なるもので、そもそも医学の専門家でもないのに不特定多数に向かって「検診に行きましょう!」と断言するのはまったくの越権行為である。

・記事として酷かったのは(だいたいがお粗末な記事だが)、Yahooにも掲載されていた次のタイトルのもの。

「麻央 ステージ3か、完治の可能性十二分 手術の必要高い」

これは「都立松沢病院 芳賀高浩医師」なる人物がデイリスポーツの取材に応えるという形の記事だけれど、「医師」であるという人物が、市川海老蔵の記者会見などの「情報のみ」から病状を類推し、それを基に記事にしている。

医師としての倫理以前に、人間としてのモラルを疑わざるを得ない行為だろう。

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市川海老蔵が記者会見で語ったごくごく断片的な内容を基にして、「実名」で病状の推測を語る医者とは何なのか?
既にデイリー・スポーツが「そういうコメント」を求めに来る時点で「そういう人物」なのだと分かるのだが、この医師だけでなく、テレビのバラエティ番組で雛壇に並んで浮かれた調子で喋っている医師たちを、わたしは原則として軽蔑している。
人間の命を預かる深刻な仕事であるはずの医師がなぜ浮かれてテレビへ出演する時間があるのか?
そして(わたしはバラエティ番組などほとんど観ないけれど)たまに目に入ってくるそんな医師たちは、本来はじっくり説明しなければ一般には理解されない医療情報について、実に乱暴に短い時間で言い放つ。
これではインチキ健康商品のテレビショッピングとさほど変わらない。

あと、Yahooなどの「コメント欄」とは一体何なのだ、という根本的疑問はさて置いて、この件についてのコメントを一部見ると、

「絶対治ります!」とか
「日本中が応援しています」

とか書いて、「いいことをした」つもりであろう人がいるけれど、わたしの常識からすれば、医療についても病気についても人間心理についてもまったく分かってない、無神経極まりない言葉だと思う。