●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする」講座~ラウラ・アントネッリの腋毛、ルキノ・ヴィスコンテ『イノセント』と、映画の豪奢。

「腋毛」の話題をそれほど続けようという気はないけれど、映画の中の女優が見せた腋毛としてとても印象的なのが、ルキノ・ヴィぅコンティ監督『イノセント』のラウラ・アントネッリの「それ」だ。
2015年6月22日に死去したラウラ・アントネッリですが、何度も書いているように、『青い体験』の家政婦アンジェラは世界中の男性がかなりの割合で、その思慕と性欲を猛烈に刺激されるであろう、一つの「理想のエロティックな女性像」だったわけです。
より多くの男性の「理想のエロティックな女性像」足りえるには、下品度の比重が高いとダメなのだ。
ラウラ・アントネッリは映画によっては少々下品に比重が偏っている場合もあるが、『青い体験』は「完璧なバランス」だったと言える。

そんなラウラ・アントネッリが映画史上の巨匠ルキノ・ヴィスコンテ監督の『イノセント』で主演格として登場したその姿、その脇の下の豊かな腋毛はとても印象的だった。

ルキノ・ヴィスコンテ『イノセント』と言えば、ガブリエーレ・ダヌンツィオ『罪なき者』を原作とした、卑近な言葉を使えば、「感応不倫物」であるけれど、なにせヴィスコンティだ。
豪奢な本物の衣装、セット、いや、「本物の建造物」あるいは「本物の部屋・調度」など。
「大金」をかければ映画ということではないが、「大金も時間も惜しまない」のも映画の十大要素の一つだ。
映画が映画であるためには、文学にはできないこと、ましてやテレビドラマには絶対できないことをしなければならない。


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