●末尾ルコ「レニー・ゼルウイガーを劣化と言うな!しかし顔の変化は事実ではある」

末尾ルコ「映画俳優演技論」

・レニー・ゼルウィガー。
ネイティブは普通、レネ・ゼルウィガーと呼びますが、便宜上レニー・ゼルウィガーと表記します。
そのレニー・ゼルウイガー。
1990年代後半から2000年代初頭まで、これだけワクワクさせてくれる映画女優はそうそういなかった。
「レニー・ゼルウィガー」とクレジットされていれば、どんな映画でも十分愉しめるだけの女優オーラがあった。
正にその時期、「世界の頂点に君臨する女優」の一人だった。
「その次期」とは、次の作品が次々と公開されていた時期だ。

1996 『ザ・エージェント』
2000 『ベティ・サイズモア』
2001 『ブリジット・ジョーンズの日記』
2002 『シカゴ』
2003 『恋は邪魔者』
『コールド マウンテン』
2004『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
2005『シンデレラマン』

『ブリジット・ジョーンズ』シリーズが世界の女性たちの心を掴んだのは言うまでもなく、女性ではないわたしも心を掴まれた。
しかしそれ以上におもしろかったのが、『ベティ・サイズモア』。
緩い感じのコメディのようでいて、しかし異様な空気に満ちていて、ダークな笑いを提供してくれる作品だ。
そして『シカゴ』で頂点を極める。
『シカゴ』でレニー・ゼルウィガーが演じた「ロキシー」の、コケテイッシュで、しかし自らがスターになるためにはどんな人間でも踏み台にするわよ、というキャラクターは、当時のレニー・ゼルウィガー以外に適役など存在しない。
翌年の『コールド マウンテン』でアカデミー助演女優賞を獲得したけれど、『シカゴ』の「ロキシー」こそレニー・ゼルウィガーの絶頂である。(つづく)


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