●末尾ルコ「70年代の美人映画女優ジャクリーン・ビセットについて語ろうかい!」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

ジャクリーン・ビセットを素晴らしい女優だと思ったことはないが、「とても楽しませてくれる女優」だったのは間違いない。
近年も女優として活動しているジャクリーン・ビセットを「だった」と過去形にしてはいけないが、やはり最盛期は1970年代だ。
とは言え、「演技派」と言えるタイプではとてもなく、その美貌を買われての出演作が多いのも間違いないところで、「代表作は何か?」と問われれば難しいところだが、間違いなくフランソワ・トリュフォー監督の『映画に愛をこめて アメリカの夜』はその一本に入るだろう。
ジャクリーン・ビセットはフランス映画でジャン・ポール・ベルモンドとも共演しており、英米の女優たちもフランス語に自信のある人はどんどんフランス映画に挑戦したらいいと思う。
もちろんフランス人女優たちが黙ってはいないだろうが、特に米国映画界で「大人の女優」が演じる役が今現在とても限られており、何だかんだ言って、フランス映画は「大人の女」が主役の作品は常に多く存在しるのである。
例えば最近であれば、ジェマ・アータートンという英国の女優は、ハリウッド映画などでは「退屈な女優」と見えていたけれど、『ボヴァリー夫人とパン屋』というフランス映画では実にうまく使われており、(さすが!)と感心したものだ。

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