●全日本プロレス、外国人レスラーのテーマ曲でイメージ大アップの時代、あるいはロックとプロレスの関係。

末尾ルコ「プロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

ミル・マスカラスは日本プロレス時代から来日しており、もちろんスターレスラーの一人だったが、全日本プロレス時代に『スカイハイ』というテーマ曲を使ってプロモ映像を放送するやいなや、プロレス界を超えた超人気を獲得した。
その後、アブドーラ・ザ・ブッチャーの『吹けよ風、呼べよ嵐』やファンク兄弟の『スピニング・トゥ・ホールド』と全日本プロレスは外国人レスラーのテーマ曲で大きなイメージアップを成し遂げる。
これらテーマ曲の中で、『吹けよ風、呼べよ嵐』は問答無用のピンク・フロイドの傑作曲であり、ロックファンからすれば、ブッチャーやザ・シーク入場のテーマ曲となっているのは、(どうなんだろう)というところだっただろうが、『スピニング・トゥ・ホールド』は日本を代表するロックバンドだったクリエイションのメンバーがドリー・ファンク・ジュニアのファンだったところから、その得意技のイメージを曲にしたのである。

実は当時、ロックファンとプロレスファンもかなりかぶっていた。