●「1977、ハーリー・レイスVSジャンボ鶴田・・・まだ短く刈り込まれていたレイスの髪の毛」

末尾ルコ「プロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

1977年に日本で行われたハーリー・レイスVSジャンボ鶴田のNWA世界選手権を見ると、既にレイスの髪は金髪ではなくてブラウンとなっている。
ブラウンではあるけれどその髪は短く刈り込まれ、レイスの頭部の形とほぼ同じシルエットで張り付いている。
金髪なら尚いいが、しかしこの「頭部に張り付いた刈り込まれた髪」がわたしにとってハーリー・レイスの大きな魅力だった。
その後レイスは髪を伸ばし、ふわりとしたシルエットのパーマ頭が定番となるけれど、わたしはあのルックスがどうもダメだった。
ハーリー・レイスのイメージ・・・危険で、ちょっと粋な感じの、酸いも甘いも知っている「ザ・プロレスラー」という他のレスラーにはないイメージは、あの頭の形に密着するように刈り込まれたヘアスタイルから来ていたことが後になってよく理解できた。

ところでその「1977ハーリー・レイスVSジャンボ鶴田」。
ベンジュラム・バックブリーカー、シュミット式バックブリーカー、サイドスープレックス、ニードロップ、ブレーンバスター、そしてインディアン・デスロックと、次々と得意技を繰り出すレイスだけれど、あらためて感心したのはそれら技の「きれいさ」。
実に見栄えがする技の形を作っている。