●今こそ、「ラスク」よりも「ラシク(バロン・フォン)」を!

末尾ルコ「プロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

ラスクを好きな女性は多かろう。
男性であるわたしもラスクは大好きである。
サクサクして甘くって、いや、甘くないのも美味しくて・・・それがラスクの魅力さね。
しかしどうだろう、ラシクは?
今この平成日本で、ラシクを好きな女性は何人いるだろうか?
人口減少日本とは言い条、1億以上の人間がいるのだから、よもやラシクを好きな女性が「ゼロ」ではあるまい。
いや、ひょっとして「ゼロ」だろうか。(←急に不安になっている)
ともあれ「らしく」とは、バロン・フォン・ラシクのことである。
プロレス界で「フォン」が付いたレスラーは基本的に「ナチスのギミック」であり、バロン・フォン・ラシクももちろんそうである。
日本で付いたニックネームが、

「幼獣」。

幼獣ってねえ、しかし・・・。

とは言え、つるつる頭にナチス風のコスチューム、そして白人にしては釣り目気味であることも、「幼獣」の名に相応しい不気味さを漂わせていた。
頑是ない子ども時代のわたしなどその写真を見て、(うわあ~、こわあい~~)などとビビっていたものだ。
ところがこの幼獣、実際の試合ぶりは妙に可愛いのである。
特に負けた時悔しがってピョンピョン跳ねる姿を目の当たりにした時、多くの日本人は、(カワイイ~)と溜め息を付いたという記録はどこにも残されてないが、日本人の「カワイイ」メンタリティが、「ラシクぴょんぴょん」から始まったことを知る者もいない。
なぜならば、そのような事実はないからである。