●末尾ルコ「呆気にとられるケイト・ブランシェット、そして『キャロル』は、現代必見である」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

呆気にとられる。
それがトッド・ヘインズの映画『キャロル』だ。
「美」に呆気にとられ、「せつなさ」に呆気にとられ、「愛の強さ」に呆気にとられる。
そして特別なオーラを放つケイト・ブランシェット。
プラチナに近い金髪を常に隙なくセットして、高級なコートを羽織り、遠くまで見透かすような眼差しで、煙草を持つフォルムも完璧だ。

ケイト・ブランシェットが「キャロル」であり、同性に対する恋愛感情を潜在意識化に持っていた若い女を魅了する。

ケイト・ブランシェットが「凄い女優」だということは世界中の誰もが知っている。(あなたも知ってますよね?)
「現代最高の女優」の一人だということも、世界中の誰もが知っている。
もちろんブランシェットが演じた『エリザベス』にも『ブルー・ジャスミン』にも魅了はされたが、『キャロル』はそれらの上を行った。
「こんな映画をずっと観たい」と思っていた映画に望む要素がほとんど入っていた、それが、

『キャロル』である。

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