●もういいです、「金正男情報」。&サンセット・フリップだ!きれいなブリッジだ!プロレスだ!マイティ井上VSジョー・マレンコ。

末尾ルコ「国際情勢とプロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

2017年2月から3月にかけて、日本の報道番組はほとんど次の「4点ポジション」で満たされました。

ドナルド・トランプ大統領
金正男暗殺
小池百合子都知事
森友学園問題

この中で、「トランプ大統領」は正に「世界を揺るがす問題」であり、わたしも大いに興味がありますが、金正男暗殺を日本ほど毎日毎日大量に報道している国は恐らく韓国、マレーシアなど世界でも一部であり、日本でこれだけ放送されるのはもちろん視聴率が取れる(と踏んでいる)からなのだが、それにしてもテレビを点ければ金正男の顔が出てくるのにはうんざりである。
金正男暗殺事件の構図はいたって単純で、いくらか不可解なのは、実行犯の女二人が「暗殺だと自覚していたか否か」という点くらい。
その他の工作員をしっかり逮捕して罰を与えるのは重要だけれど、北朝鮮に生まれ、工作員として養成された人たちには、「その生き方」しか選択肢はなく、要するに北朝鮮の体制と金正恩が倒れるか弱体化しなければ、こうした犯罪は今後も起こり得るというだけのことであり、あの事件について微に入り細を穿ち延々と報道する必要はなく、要点のみでかまわないのだけれど、ここにも「視聴率」という馬鹿馬鹿しい尺度が幅を利かすわけですな。


で、そうした国際情勢とは関係なく、わたしはYouTubeで

全日本プロレス 世界Jr.ヘビー級選手権「ジョー・マレンコVSマイティ井上」

と題された動画を視聴したのだけれど、今やほぼ消失した「プロレスの基本」をしっかり抑えた試合として楽しめたのです。
ジョー・マレンコとマイティ井上のグランドレスリングにとても(プロレス的説得力があり、クライマックスのショルダーアタック、サンセット・フリップなども的確な放ち方だ。
そしてマレンコのブリッジがとてもきれいで、「プロレス」なのだな。