●末尾ルコ「広瀬すずプチ論~その身長が生む魅力」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

広瀬すずは小柄に見える。身長を調べてみると百五十九㎝とあり、日本人女性の平均が百五十四程度とされているから、その意味では低い方ではない。しかし十代後半から二十代にかけてとなればどうか、あるいは女性芸能人の中ではどうかという話になれば小柄な方に入るかもしれないし、印象的だったのが『海町Diary』の「すず」役だから、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆に囲まれた広瀬すずはいかにも小さく、その写真を一度見ただけの人にも(小柄だ)と印象付けただろう。
しかし一九九八年六月一九日生まれの静岡出身者広瀬すずは、実はさほど小柄でもないその小柄な印象が、今のところ女優として実に有効に機能している。
女優はファッションモデルとは違い、背の高さや抜群のプロポーションが常に有効であるとはならない。そして広瀬すずの大きな優位さは、「小柄な印象なのにバランスの取れたプロポーション」を持っているところなのだ。

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