●5月9日の丘みどりも舞踊した『うたコン』で「山田姉妹」が歌ったあべ静江の「みずいろの手紙」。

末尾ルコ「音楽の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

東京芸大、そして国立音大で声楽の教育を受けている山田姉妹だが、その瑞々しい歌声を聴く機会がぜひどんどん増えてほしいという希望の下に、丘みどりと同様に応援していこうと思っている。
5月9日の『うたコン』で山田姉妹が歌ったのが、かつてあべ静江が歌ってヒットした「みずいろの手紙」であり、あらためてこの楽曲のよさを知るとともに、(あべ静江とは、なかなか美貌の人だったんだな)と感心し、そしてこの歌が山田姉妹に合っているのにも心動かされた。
あべ静江は結局ヒットしたのは、「コーヒーショップで」と「みずいろの手紙」だけのようで、調べたらどちらも1973年。
頑是ない子どもだった(ふふふ)わたしには、あべ静江の大人の美貌は早過ぎたのだろう、「好き」な対象として引っ掛かった記憶はない。
だいたい昭和70年代の女性歌手って、「顔が大人」の人が多いですな。
しかしこれが普通で、今の日本人の顔が「子ども過ぎる」人が多いのである、多分。
「みずいろの手紙」は、作詞が阿久悠、作曲が三木たかしと、いわば日本歌謡の世界ではプロ中のプロによって作られているが、近年の多くのJ POP歌詞にみられる貧困なボキャブラリーや表現、「ニュアンス0」といった惨状とは対極の豊かな世界が展開されている。

※近年のJ POPのすべてが「惨状」だと言っているわけではありません。