●「悪徳のレシピ、あるいはマルキ・ド・サドも吃驚か」~A☆MAX一宮店における「まんぼうの刺身」との出遭い。

末尾ルコ「食の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

高知の、比較的安売りのスーパーと言えば、ACE ONE(エースワン)とA☆MAX(エーマックス)である。
わたしは自宅から最寄りのA☆MAX一宮店をよく利用するのだが、食材が安いのが有難い。
しかもだいたいいつも冷房がギンギンに効いていて、冬は寒いが、夏は涼しい。
風邪気味の時には行かない方がいい、というのはあるが。
このA☆MAX一宮店の、これは「いちのみや」ではなく「イック」と読むのだが、鮮魚コーナーで最近よく見かけるのが、

「まんぼうの刺身」である。

(ま、マンボウって食えるのか?)・・・初めて目にした時、わたしは十分に当惑した。
かつてビートたけしが林真理子のことを、「マンボウのような顔をしていますね」と言っていた記憶があるが、もちろんわたしはそれを耳にして(上手いこと言うな)と思ったりはしないし、そもそもこの記憶が定かなものか確信があるわけでもない。
(マンボウ・・・)
A☆MAX一宮店の刺身コーナーに置かれている「まんぼうの刺身」をやや遠巻きに眺めながら、わたしの脳裏にはもちろんあの水中で浮遊する巨大でかつ無表情な魚類が鮮明に現れて離れない。
(そうか、マンボウって、食えるのか・・・)
 と感慨にふけりながら、わたしの右手はマグロの刺身へと伸びていくのであった。
あの、安定した美味を誇るマグロの刺身へと。

マンボウが食える・・・ことが事実であるにしても、今のところわたしの食卓にそれが並んだ事実はない。