●「悪徳のレシピ、あるいはマルキ・ド・サドも吃驚か」~「毎日野菜を食す」という善行を積もう!ほうれん草、菊菜、小松菜の違い、あるいは『サッポロ市場 塩らーめん』。

末尾ルコ「食の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

毎日必ず野菜を食べる・・・アートでパンクでビューティなわたしの生活にとっては当然のことである。
ただ、毎日の食卓に、そうそう多種類の野菜を入れることは難しい。
経済的な問題もあるし(とほほ)、調理時間の問題もある。
わたしの友人のフランス人フェノン(仮名)は野菜ジュースの専門書を何冊も買い、毎日野菜ジュースを摂取する習慣をつけている。
なるほどその方法であれば、手間をかけたり、(どんな料理にしようか)と頭を悩ませる必要もなく、毎日十分な野菜を摂取できることになるだろう。
しかしわたしは今のところ、まだそのやり方を踏襲してはいない。
理由はいろいろあるけれど、それにはここでは触れない。
ではどのように野菜を摂っているかというと、まず朝食にシンプルなサラダを食べる。
シンプルもシンプル、スーパーシンプルであって、普通は2種類の野菜を「切るだけ」である。
たいがいトマトと胡瓜だ。
特にトマトはリコピンを含め、多様な成分が含まれているのが魅力的で、胡瓜には栄養的な期待はさほどないけれど、瑞々しさが朝に爽やかではないか。
だからこの2種の野菜が高価な時はスーパーの中で迷子のパトラッシュのような状況になるのだが、場合によっては、バナナやリンゴといったフルーツを代用することもある。
夕食にはできるだけ葉物野菜を使うようにしているが、よく使うのが、ほうれん草、小松菜、菊菜(春菊)、ニラ、ニンニクの葉、ニンニク芽などであり、汁物に入れたり、炒め物に混ぜたりする。
これらの中で、味の面で私が好きなのは、菊菜、ニンニクの葉、ほうれん草がトップ3と言える。
これらはしっかりと濃厚な味があり、香りも強く、(ああ、野菜の料理を食べているなあ)という感慨に耽られるのがいい。
例えば小松菜は、やや水っぽく淡白な食感で、嫌いでもないけれど、特に「好き」だとも言えない。
最近はあまり袋入りインスタントラーメンは作らないけれど、ティーン(笑)の頃は『サッポロ一番 塩らーめん』にほうれん草や菊菜を入れていた。
小松菜だと、特に茎の部分に水分が多く逞しく、噛み応えなどは楽しめるけど、具材としては嵩張るのである。