●「怪奇」大好きだけれど、『お昼のワイドショー』新倉イワオの「心霊特集 再現フィルム?」にはビビっていたピュアな子ども時代の黒歴史。

末尾ルコ「怪奇な話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

「怪奇」という言葉、大好きだ。
子どものころから好きだし、今でも好きだ。
しかしもちろんのこと、大人になるに従って、子どもの頃に「怪奇」と感じてドギマギしていたものたちが徐々に「怪奇」でなくなっていく。
それどころか、「怪奇」から「陳腐」へと変貌していくのはつれえ話でござんすね。
と、『カムイ外伝』で口入屋の番頭「サブ」を装っていたカムイ風に語ってみたが、じつはさほど「つれえ」とも感じてないのが事実ではあるけれど。
ちなみに『カムイ外伝』に中でも、カムイが「サブ」を装っているエピソードは傑作中の傑作である。
ところで「怪奇」を期待する気持ちは心の奥底にあって、だからこそおもしろそうなホラー映画はついついチェックしてしまうのだが、今だと5本に1本くらいはおもしろいのがあるかなあ。
でもなんだかんだで、米国製ホラーは年に1,2本は(いいじゃない!)という作品がある。

子どもの頃は他愛無いもので、映画『大魔神』シリーズでビビっていたのはそのクオリティに鑑みても納得いくけれど、『お昼のワイドショー』ごときの「心霊特集」ごときでビビっていたとはあまりに無邪気であった。
夏になると必ず新倉イワオというおじさんが出てきて、「心霊研究家」なる肩書で語るわけだけれど、「霊」の存在とか、信じるか否かはひとそれぞれでいいけれど、どう考えても何ら「まともな証拠」が出てないのに人に「存在するよ」と強弁するのはいけないし、わたしは世の中の「拝み屋」たちは「皆、地獄に堕ちろ!」くらいに思っているけれど、あ、「地獄」なんてないか(笑)。
ただわたしは、宇宙の不可知論的な部分や神秘的な要素をすべて否定しているわけではないのだが、世の中インチキが多過ぎるのである。
その最たるもの(笑)の一つが『お昼のワイドショー』の「心霊特集 再現フィルム」(←正確にこう呼ばれていたかは明確ではありません)であって、今見たら笑っちゃうのは間違いなかろうが、子どもの頃は真昼間からビビっていたぞ!
もし今再放送があったら、「へっ、怖くないぜ、そんなの、おらおらおらおら!!」と言ってやるところなのだが。