●「女教師」に対する「性的ファンタジー」と「現実の女教師」。

末尾ルコ「エロティシズムの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

男性から女性に対してエロティックなファンタジーの対象となる職種というものが存在して、軽く挙げてみると、
「ナース」
「女教師」
「スチュワーデス(フライト・アテンダント)」
「バスガイド」(笑)
「女子銀行員」
「OL」などなど。

あ、これは決して「わたしの趣味」について語っているのではなく、あくまで「エロティシズム」を語る上で日本人男性の一般的嗜好を概観しているのである。
しかしこれら職種の中で、例えば「ナース」であれば、確かに男性の性的ファンタジーになるのも納得の容姿の女性を見かけること珍しくないのだが、これが「女教師」となると、わたしが「生徒」として過ごした期間に、ファンタジーに対象となりそうな人はまったく見かけなかった。
ただ、小学生時代に大人の女性の魅力が理解できるわけはなく、その期間にいなかったとは限らない。
実はわたしが小学生低学年時代、ストレートの長い黒髪でほっそりとした若い女教師が間違いなくいて、(綺麗な先生だな)と感じた記憶はあるのだが、なぜかその教員を「何度も見かけた」記憶はないのだ。
ま、それはさて置き、男性が女教師に性的ファンタジーを抱く理由としては、

「教師という極めて硬いというイメージがあり、しかも多くの生徒たちの面前で授業・指導を行うのが日常であり、しかも美人で凛とした女教師という公的な姿の聖域を破り、私的な姿を見てみたい」

と、妙に分かり難い文になってしまったが、まあそのような願望が主になっているだろう。
しかしこうしたイメージはほとんど妄想であり、現実には存在しない。(「現実に多く存在」しているのなら、教育現場に大きな差し障りが出るだろうから、現状の方がいいとも言えるが)
もう一つ、仮に魅力的な容姿の女教師がいたとしても、学校内での、上履き、時にジャージなどの服装が魅力を減殺するし、何よりも多くの女教師がすぐに説教臭い雰囲気を漂わせ始めるのも「ファンタジーの中の女教師」とはかけ離れる大きな一因となっているだろう。

念のために書いておくけれど、別にわたしは「ファンタジーの中の女教師のような人がいればいい」とか、そのようなことを言っているのではない。
「現実」と「ファンタジー」はまったく別の存在である。
ここではエロティシズムの観点から、日本人男性の多くが持ち続けている「性的ファンタジー」についての小さな論考を試みているだけのことだ。