●『汚れなき悪戯』のモノクロの美しい空は。

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

『汚れなき悪戯』。原題を和訳すると、「マルセリーノ、パンと葡萄酒」だ。言うまでもななく、キリスト教の世界では、パンはイエス・キリストの肉、葡萄酒は血である。
『汚れなき悪戯』は14世紀イタリアの民間伝承を素材としたストーリーとされ、しかしヴァイダ・ラースロー監督がモノクロで描いたその空はスペインの空であり、しかし聖フランチェスコの生きたアッシジの空のようにも見える。