●すげえじゃん・マルク・バール的にニック・ボックウィンクルVSケンドーナガサキAWA戦を観たもので、衝撃のジーン・フレージャー戦秒殺KO負けも想起する。

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ニック・ボックウィンクルVSケンドーナガサキなんて試合が視聴できるのだから、YouTubeって、怖い怖い怖いですね(←当然淀川長治先生節で)。
何度も書いているけれど、淀川長治の「怖い」は「稲川淳二の怪談が怖い」とかいうレベルの「怖い」ではなく、基本的に、「深淵に迫った」表現に関して「怖い」と言っているのである。
ま、その意味では別にYouTubeは「怖い」に当たらないけれど、ここは何となく使ってみたかったのである。

ニック・ボックウィンクルVSケンドーナガサキ・・・しかも米国でのAWA世界タイトル戦だ。

YouTubeでおもしろそうなプロレスの動画を発見した時にまずチェックするのが「時間」・・・つまりその動画が何分、何十分のものであるかということだ。
プロレス動画に関しては、(おもしろそう!)、そして「10分前後以内」であれば、すぐに視聴を始める。
それ以上であれば、気になる動画は「お気に入り」へ登録しておいて、後日観たり観なかったりである。
そしてこのニック・ボックウィンクルVSケンドーナガサキのAWA世界選手権は10分もなかったものだから、すぐさま観始めたわけなのであるよろし。

ついでに「プロレスの試合時間」についていつも感じていることを書かせていただくと、現在の新日本プロレスである程度以上の格付けの試合時間は大部分が「22~23分以上」である。
新日本プロレスをいつも観ているファンならお分かりだろうが、ほとんどのメイン級の試合は判で押したようにこれだけの時間続く。
昭和のプロレスを振り返れば、全日本プロレスの「四天王」時代が始まるより前は、大会場でのタイトルマッチやメインイベントは、多くが「15分以上19分以下」だったはずだ。
現在の新日本プロレスの「20分以上試合」は言うまでもなく、一度観客が入らなくなったプロレスを立て直すために、「必ず満足させる」というサービス精神発露なのであり、現によくお客さんが入っているのだからどうこう言う必要もないようなものだが、わたしなどは(どうせ決着は23分くらいなのだから)と、そこまでの経過が退屈に感じて仕方ないのであるけれど。

それはさて置き、あらためてケンドーナガサキ(桜田一男)のプロフィールをチェックすると、このAWAタイトル戦だけでなく、米国でハーリー・レイスのNWAにも挑戦しており、(なんだ、すげえじゃん・ポール・ベルモンド)とあらためて見直したわけである。

実はケンドーナガサキが「セメントに強い」という評判はプロレスファンの間でよく知られていて、それが1997年にシューティング主催の「Vale-Tudo Perception」で、キックボクサーのジーン・フレージャー相手に36秒で失神KO負けした試合のインパクトはなかなかのもので、今考えると年齢や「準備ゼロ」という状態で勝てるわけなかった、となるのであるが、勝っていればめちゃめちゃカッコよかったろうなあとは思ってしまうのである。