●『お嬢様聖水』の感想などを考えつつ、「お嬢様」「深窓の令嬢」の概念を鑑みつつ、昨今のスポーツ報道の異常性にも言及する。

末尾ルコ「食とメディア批判の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

弟が『お嬢様聖水』を買ってきた。
『お嬢様聖水』とはちょっとそそられる名前である。
だからわたしは冷蔵庫で冷やした『お嬢様聖水』をグビリとやった。
その瞬間、少しだけ力が湧いてきたような気もした。

しかし「お嬢様」と言っても、どちらのお嬢様だろうか。
思えばわたしの人生、周囲に「お嬢様」など存在したためしがない、そんな気がする春から夏へ。
いやこれは、もちろんわたしの周囲には少なからず魅力的な女性が常に居続けていると言うか、まあそれはさて置き、しかし「お嬢様」・・・あるいは「深窓の令嬢」とか、なかなか高知じゃ見当たらないぞ、的な。
そもそも「お嬢様」とはどのように定義される概念なのか。
まず「実家が裕福である」ことは必須なのだろうが、それだけで「お嬢様」と称するには足りないに違いない。
物腰であるとか話し方であるとか、そして醸し出す雰囲気そのものであるとか、「お嬢様」に特有のオーラが漂いまくっているはずだ・・・とはわたしの勝手な妄想に過ぎないかもしれないが。
そんな見果てぬ「お嬢様のせいすい」・・・こいつは見逃せない、飲み逃せないと、「美とエロティシズムの探究者」たるわたしがそう思うのは必然である・・・気もする。

『お嬢様聖水』・・・しかしそれは間違いなく、わたしがまだ見ぬ「お嬢様の聖水」ではなく、株式会社リバランドの炭酸飲料だ。

髪の長い女性が描かれた小さな缶。
「植物発酵エナジードリンク」と書かれている。
その原材料として挙げられているのが、「マルチトールシロップ、植物発酵エキス、コラーゲンペプチド、ガラナエキス、茶花乾燥エキス、フルーツ・野菜エキス、クエン酸、増粘剤(ペクチン)、クエン酸ナトリウム、香料、甘 味料(スクラロース、ネオテーム)、カフェイン、L-アルギニン、保存料(安息香酸Na)、カラメル色素、V.B2、V.B1、V.B6、(原材料の一部にバナナ、大豆、リンゴ、オレンジ、ゴマ、カシューナッツ、小麦、ゼラチンを含む)」

ふ~む、さらにオフィシャルサイトには「使われている野菜」が挙げられているのだが、「生産地が日本国内の植物」が「合計102種類」、「生産地が日本以外の植物」として「合計15種類」がずらすら並べられているのだが、(ホントか、これは??)と思いたくもなる。
それら野菜や果物の生産地を見ると、ミョウガ、ニラ、オクラ、ショウガ、ユズなど高知産もかなり多いのだが、別に各地の特産物を適当にぶち込んでるわけではないでしょうね、リバランドさん、と。
まあ飲んだ感想としては、「エナジードリンクっぽいかな」というところだろうか。

ところで東京オリンピックを控え、スポーツ報道がどんどんアブノーマルになってきているとわたしは辟易している。
その点について、フランス人の友人フェノン(仮名)に感想を求めたら、
「羽生結弦のパレードへ10万人以上、あれはいったいどうなっているんだ?」
「カーリングとか、どうして放送しているんだ」
などのホットな意見をいただいたが、いかなるものか?