●オカダカズチカとアントニオ猪木の身長、そして筋肉や骨質の違いとは?

末尾ルコ「プロレスと肉体の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

オカダカズチカの体型を見ると、身長191cm 、体重は107kg程度とされている。
プロレスラーとしてバランスの取れた体格で、かつてのアントニオ猪木の身長、体重と数字上はほぼ同体型のはずである。
ところがオカダカズチカとアントニオ猪木の見た目の印象はかなり違う。

もちろんプロレスラーの身長・体重をそのまま信用するわけにはいかない。
アントニオ猪木については185cm足らずだったという説もあるし、野球の松井秀喜と並んでいる写真があるが、松井(188cmとされる)の方が大きいのである。
ただその写真は全身写真ではないために、松井がアップシューズを履いているとか、台の上に立っているとか、そんな可能性もゼロではないが(ほとんどゼロのような気もするが 笑)。
まあ猪木は高齢になってきているので、「縮んでいる」と本人も語っているようだ。
その最近の猪木と棚橋弘至が並んでいる写真も見たことがあるが、棚橋がずっと小さかった。
となれば、棚橋は「175以下」ということもあり得る話である。

しかし今回は身長について細かに語りたいわけではない。

「身体の質」についての話をしたいのだが、オカダカズチカとアントニオ猪木の筋肉や骨格を比べると、ずいぶんと印象が違う。
多少わたしの偏見はあるかもしれないが、オカダは「見せるために作られた身体」、アントニオ猪木は「強くなるため&見せるために作られた身体」という風に見える。
「見せるために作られた身体」という点では棚橋弘至も同様で、筋肉の盛り上がり方がいかにも「膨らんでいる」感じなのだ。
猪木の場合は骨からしっかりと鍛えられ、筋肉はどのような対戦相手に対しても対応できるように、そしていざセメントになっても対応できるように骨をしっかりと締め、しかもフレキシビリティも漂わせていた。(実際に「どんな相手にも」対応できたか否かは別問題だが)

これはプロレスの概念が違ってきているので致し方ないところかもしれないが、現在のプロレスはどうなのだろう、「道場破り」の可能性とか、試合中にセメントを仕掛けられる可能性とか、考慮の必要なないのだろうか。
まあそういうことはいかにも起こりそうにない感じはあるが。

プロレスラーだけでなく、「肉体を見せる」ことで鑑賞者や観客を熱狂させる芸術やスポーツには常に大きな興味があるし、そうした表現者でなくとも、わたしたちが人生を生き抜いていく上での「肉体」、あるいは「ボディデザイン」というものはとても重要だと思う。
今後も探求していこう。