●『たかが世界の終わり』のあまりに贅沢な家族とは?

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

グザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』は「家族の物語」で、映画はその家族の中だけで展開される。
母がいて、長男がいて、長男の妻がいて、次男がいて、次女がいる。
『たかが世界の終わり』はこの家族の中だけで展開される映画だ。
しかし、母はナタリー・バイであり、長男はヴァンサン・カッセルであり、長男の妻はマリオン・コティヤールであり、次男はガスパー・ウリエルであり、次女がレア・セドゥだ。
取り敢えず、映画史上最高に贅沢な「家族」の一つである。