●「教養主義」とフェデリコ・フェリーニ。

末尾ルコ「映画と教養の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ある若い女が、「それって、教養主義のような感じで」と言った。
ニュアンスはとても否定的だった。
医学部在学中の女だった。
(分かってないな)と思ったが、その場では言わなかった。

「教養」に「主義」を付けると確かにいかにも古臭い権威主義の匂いがするし、そもそも「教養」という言葉自体受け付けない日本人が多くなっているだろう。
しかし言うまでもなく、「教養のない人間が多数を占める社会や国」は早晩滅びていくはずだ。

例えば映画の世界、70~80年代前半くらいまでは、「この監督たちの名前は知っておかねば」という人たちがいた。

ルキノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニ、ジャン・リュック・ゴダール、イングマル・ベルイマンらである。
今は?
いないよね、こういう監督たち。