●「プロレス総選挙2018 」の結果~そして、日本と外国人プロレスラー、あるいはファイター・・・。

末尾ルコ「プロレスと格闘技の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

『Number PLUS AUGUST 2018』に「プロレス総選挙2018 」の結果が掲載されていた。.

この「プロレス総選挙2018 」、投票対象は「日本のリングで闘ったことのあるすべての現役選手」だというのですが、今回の投票数は、「6万7047人」だったという。
あれ?
棚橋弘至のツイッターフォロワーだけでも30万以上いるのでは?
天山広吉のフォロワーでも6万以上だから、その人たちがすべて天山に投票しておれば、「天山1位!」もあり得たというのにね(笑)。

まあそれはさて置き、

投票結果のトップ5は次のようになっていた。

1内藤哲也
2棚橋弘至
3中邑真輔
4オカダカズチカ
5ケニー・オメガ

どうですか、この(投票する意味があったのか?)とツッコみを入れたくなるような、昨今の日本プロレス界状況においては当然過ぎるトップ5!

つまり今現在、日本のプロレスファンの間で最も人気ある外国人レスラーは、ケニー・オメガということになるが、プロレスファン以外では知ってる人、ほとんどいないでしょうな。
プロレスファン以外の日本人の間まで広く浸透していた外国人レスラーは、ハルク・ホーガンあたりまでか。
ビッグバン・ベイダーとかスティーヴ・ウィリアムズとか、一般の人はそれほど知らなかったですよね。
考えてみれば、その辺りから「外国人ファイター」と言えば、プロレスラーよりK1やPRIDEのリアル・ファイターが一般的にかなり知られるようになっていた。
K1人気全盛期の地上波テレビ視聴率は20%を超えるのも普通だったわけで、アンディ・フグ、ピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、マイク・ベルナルド、フランシスコ・フィリョらはかなり浸透してましたなあ。
アンディ・フグはK1人気の影響で故郷スイスでも人気者になっていたというリポートを観たことがあるが(今、考えたら、どれでけ事実かはよく分からない)、普通キックや空手のファイターとか、ほとんどの国で「マニアだけの世界」である。(ムエタイがあるタイはべつかもしれないが)
それがK1全盛期、常に大会場が超満員で芸能人も観戦、高視聴率のテレビ放送により、日本人のかなりの割合にまでその名前と顔が浸透する・・・K1の外国人ファイターにとって当時はまさに「真夏の夜の夢」だっただろう。
キック系の格闘技について言えば、スポーツ超大国の米国で人気が出ないのが非常に痛い。
その点、UFCが米国でほぼメジャースポーツ化したMMA(総合格闘技)の場合、PRIDE消滅後もまったく問題なく、いまだ当時のファイターが戦う場も十分に用意されている。(それがいいかどうかはさて置いて)
米国の格闘技状況は単純に考えて、「ボクシングの強力な伝統があるので、キックに人気が出ない」というポイントと、「なんだかんだでプロレスの伝統が根強く、それに対する興味の延長として、MMAも発展した」というポイントの2点が重要なのではないか。