●末尾ルコ フラグメント「『生きる』と『わが青春に悔なし』」

『生きる』は少なくとも2年に一度は観返したい映画です。日本人はいつしか、「生きる」意味を問わなくなりました。しかし深層の部分では常にこの問いを欲しているはず。だからこそ、観なければならないのです。

『わが青春に悔なし』に感じたのは、「若さ」です。主人公の若さ、作品の持つ若さのエネルギー、そして黒澤明自身の若さ・・・。必ずしも「若さ」とはいい意味ばかりあると限りませんが、この作品の疾走感は後の黒澤作品と対照的で貴重ですね。