真の映画スターの一人ジャンーポール・ベルモンド。その若き日の美しさたるや、ゴダールの「勝手にしやがれ」や「危狂いピエロ」を観れば一目瞭然である。
さて「モラン神父」という映画があって、監督がジャンーピエール・メルヴィル、主演がジャンーポール・ベルモンドと来れば、映画ファンでなくとも飛びついてでも鑑賞というわけで当然ぼくもそうした。「勝手にしやがれ」とほぼ同時期の「モラン神父」。さすがベルモンドは美しい。モノクロ映像はひたすら美しく、テンポも快調。ただひとつだけ、神学論争的会話が、キリスト教に関する知識はある程度以上持っているぼくにとっても、いささか退屈ではありましたけど。