吉高由里子がバラエティ番組に登場することの危険性とは、
まず彼女の口調、雰囲気、そして「おもしろいことを言う」などのキャラクターのみを強調されることで、視聴者、ときに共演者に「軽い女」あるいは「いかれた女」というイメージが植え付けられる。
「人の持つイメージなどどうでもいい」と言いたいところだが、女優の場合そうはいかない。
一度ついたイメージやレッテルで仕事の内容が変わってくる場合がある。
吉高由里子のように力のある女優は、そのような懸念があまりないとは信じているが。
もうひとつ「はねるのトびら」で見られたことだが、
すでに「おもしろい言動」を期待されていると感じているであろう吉高由里子が、
「意図的」な「うけ」を狙ったように思えるシーンが何箇所かあった。
1つは大声でマネージャーの名を叫んだシーン、もう1つは東幹久の口を押さえたシーン。
「自然」の言動がおもしろかった吉高由里子だが、やや「何かおもしろいことをしなければ」という意識が見えたのはわたしだけだろうか。

とまあ細かいことを書き連ねてきたが、それもこれも吉高由里子が今後とも見事な女優としての活動さえしてくれれば、何のマイナスにもならないことではあるのだが。

ところで「東京DOGS」でメインの「ギャグ(?)」として扱われているのが「田中好子の電話」だ。
しかし「ここぞ」というときにかかってきて笑いをとるはずの電話が今ひとつ(と言うか、ぜんぜん)おもしろくない。
そこで、どうせリアリティを無視したドラマになっているわけだから、電話ではなく、いきなり田中好子本人が現れるというシュールなギャグはどうだろうか?
うん、そちらの方がいい。