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「墓地」の美しさとは  ポオ「眠る女」 [ルコ的読書]

まあ墓地の立地や質にもよるが・・。
「美しい墓地」というのは確かに存在する。
ある程度歴史のある、自然とも調和した、しかもどこか「怖さ」も残っている墓地。
光と暗さの双方が存在する墓地。
現在ではそんなに多くないのかもしれないけれど。
ともあれ、墓地を単に「不吉な場所」などと思うのは文化的に見てももったいないことだ。

吉高由里子には「墓地が似合う」と書いた。
墓地に執着した文学者の一人が(筆頭?)エドガー・アラン・ポオだ。
次の「眠る女」という「墓地」(あるいは神秘)についての詩を二度に渡って紹介する。

時は六月の或る真夜中に、
幽玄の月の光に照らされて私は立つ。
阿片のような蒸気は、露と濡れ、おぼろげに、
金色をなすその縁から立ち昇り、
一しずくまた一しずく、しずやかに
ひっそりした山の頂きへと滴り落ちる、

             「ポオ 詩と詩論」エドガー・アラン・ポオ著より
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