「会社か・・」
結局出なくてよかった、と瑛次は思った。
今会社の人間と話をする気などぜんぜん起こらない。
いや、会社の人間と話する気は常に起こらないが、今もし上司などの声を聞いたら本当に吐くいてしまいそうだ。
自分の髪に白髪を見つけ、良子と会い、駐車場に正体不明の男がいて、さらに窓には大きな目があった。
そんな日にどうして会社の人間などと話ができる。
窓にあった大きな目が見えなくなって、確かに瑛次は「ひょっとしたら幻覚だったのか」と思い始めている。
しかしそれにしては生々しすぎた。
幻覚だという確信はどこにもない。
それ以上に、昨日まで当然のように会社へ通勤していた自分が不可解でならなかった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。