未来軒へ行くときにワクワクするわけではないが、小さいけれど充実感はある。
ところが今夜はそれがまったくない。
多くのことが瑛次の心に覆いかぶさっているが、それはあまりに大きく複雑でとても実態をつかみきれるものではない。
範囲の全く見当のつかない暗雲に包まれている感じ。
あまりに茫漠とし過ぎていて、何かに包まれているという実感も、実は瑛次にあるかどうかはっきりしない。
湿気に包まれた夜道ははっきり見えていても、瑛次には自分の心を見ることはできていなかった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。