あるスーパーマーケット。
午前9時ごろに買い物をしていたら、朝の空気を切り裂く子どもの大声。
振り向くと小学1年くらいの少女がいる。
スーパー中に響き渡る大声。
どうやら弟を呼んでいるようだ。

弟らしい子どもは少し先を走っている。
それを追って少女も駆け出しながら、また大声。
後ろに父親らしい男がいる。
体格は悪くないが、虚ろな表情。無気力な表情。
ぼそりと「こら、大声出しちゃいかん」と言っているが、子どもには聞こえてない。
子どもの声はさらに大きくなり、走る勢いは増す。
男は「こら、怒るよ」と小さな声で言うが、もちろん子どもには聞こえていない。